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雑記

湯を沸かすほどの熱い愛

映画『湯を沸かすほどの熱い愛』を観ました。

日本アカデミー賞宮沢りえさん杉咲花さんがそれぞれ最優秀主演女優賞と最優秀助演女優賞をW受賞されており、「本当の親子みたい」との評判を聞いていたので自然と期待が高まっていました。

 

(※以下、ネタバレあり)

 

atsui-ai.com

 

 

 

 

結論から言うと、とってもとっても素晴らしい作品でした。誰もが1回は観るべき作品だ!と強くオススメできます。

 

あらすじとしては、お母ちゃん(双葉)とその娘(安澄)を中心に描かれています。強くて優しいお母ちゃんはある日突然末期がんであることを宣告され、余命2~3ヵ月だと知ります。すぐに娘に打ち明けはしないものの、残りの時間を使って、やるべきことをやり切ると決意。失踪した夫を見つけ出し銭湯業を再開したり、娘に本当のことを打ち明け前に進ませたり、ずっと会えていなかった母に会いに行ったり。

お母ちゃんの存在感はかなりのもので、言い過ぎかもしれませんが「シン・ゴジラを人間のスケールにしたらこういう感じかな」と思ってしまうほど凄みがありました。鋭さと優しさを兼ね備えた表情。「真に優しさを持つなら、まず強くあらねばならない」という説を強める存在となりました。

 

 

何人かのサブキャラクターたちの登場を交えつつ物語は展開していきます。銭湯を再開したり、いじめを克服したりして話は前進していくのですが、「すぐ次のカットでお母ちゃんがまた倒れてしまうのかもしれない」という不安感があり、終盤まで飽きないテンポで続いていきます。一つ一つのシーンやキャラも、単発で終わらず、必ずどこかに繋がっているという巧みさもありました。(手話、富士山、赤色、などなど。)

 

登場人物も、それぞれがつらい過去を持っており、だからこそお互いが共有しあえる感情や、強く生きていかなければならない、と言った雰囲気が流れていたと思います。

自分が一番感情移入してしまったのはオダギリジョーさん演じるお父ちゃん。基本的に不器用でダメ男って感じなのですが、いつも家族のことを心配していて、日々銭湯を守り、不完全ながらも想いを形にして伝えようと努力している様がうかがえました。お母ちゃんの「エジプトに連れて行って」との願いに対して、それは無理だ…と思いつつも何とか代替案を…と必死に考え抜いた様はカッコよかったです。「双葉ー!おれが、こうやって、支えるから…!」と叫ぶシーンは一番泣きました。ボロッと涙が出て自分でも驚きました。

 

最後の葬儀からのシーンは見事でした。「あの人のためなら、何でもしてあげたいと思える。それって、その何倍もあの人からもらったからだと思う」このセリフは、お母ちゃんの圧倒的存在感の正体を言語化してくれたセリフでした。

 

けっこう衝撃が強くて何と感想をまとめればよいか分からないですが家族をもっと大切にしよう、と思いました。具体的には、もっと気持ちや考えを言葉にして伝えよう、と。人はいつ何が起こるか分からない。そうなったときでも、前向きに生きられる強さと優しさを持っていたい。弱気になってしまったときに「逃げちゃダメ。あんたなら出来る。」と叱咤激励してくれるお母ちゃんを心の片隅に覚えていよう、と思いました。